
Daisuke Shimada
C&Gでなければできないことがあった

「鮨を軸にした
宿にしたい」
その言葉に、
心が動いた
鮨から始まるリブランディング
― 統括料理長が語る、ONCRI-KARATSU の舞台裏
現在、私は「ONCRI-KARATSU」の料理長として、メニュー作成から人財育成、さらには食材の仕入れ先の開拓や地域業者との連携まで、多岐にわたる業務を担っています。特に、今回の「ONCRI-KARATSU」リニューアルプロジェクトでは、初期段階から深く関わってきました。
2024年の6月、社長から「ご宿泊のお客様に鮨を提供する施設にしたい」という構想を聞いた時、率直に嬉しいと感じました。これまでの経験を活かし、唐津という土地の魅力を最大限に引き出した、とにかく美味しい鮨を提供したいという強い思いがありました。鮨を軸にするという決断は、これまでヒルトップリゾート 福岡の鮨・日本料理「暦」の料理長として、お客様からいただいた高い評価があったからこそ、多少のプレッシャーはありましたが、それ以上に新たな挑戦への喜びが大きかったです。
「ONCRI-KARATSU」では、奇をてらわず、シンプルに美味しいものを提供することを大前提としています。器も、丸皿を中心に美味しいものを少しずつ。そして、新しい施設にふさわしい、働く人間の「見せ方」にもこだわっています。私自身がお客様として鮨屋を訪れた際、職人の立ち振る舞いや清潔感に魅力を感じ、それが料理への期待を高めることを実感してきたからです。。昔ながらの職人像ではなく、清潔感があり、かっこいい。それが「ONCRI-KARATSU」の目指す私たちの姿です。

「知らなさすぎた」
それに気づいた瞬間、キャリアが
動き出した
17年の経験を、ゼロから問い直す
― ベンチャーで見つけた“料理の本質”
福岡の大手ホテルにて14年働いてきましたが、32歳という年齢を迎えたとき、これまでにない経験を求めてC&G Value Designへの転職を決意しました。事業再生やベンチャー企業であることは承知していましたが、そこに新しい成長機会があるのではないかと感じたからです。
以前の職場では、組織が大きいがゆえに、私の仕事は料理を作ることだけに特化していました。お客様と直接向き合う機会も限られており、自分の料理がお客様にどう届いているのか、直接声を聞くこともほとんどありませんでした。その中で、「もっとお客様の顔が見える場所で働きたい」という思いを抱くようになりました。
そんな時、C&G Value Designからお声がけいただき、「今までにない経験ができそう」「ちょっと楽しそうだ」と感じたのが大きなきっかけです。大変そうな予感は正直ありましたが、あえてそこに飛び込むことで、自身のキャリアアップと成長に繋がるのではないかと考えました。
実際に働き始め、「今まで自分が知らなさすぎた」と痛感しています。料理人として17年の経験はありましたが、お客様を集める方法や、収支管理といった経営的な視点を学ぶ機会がありませんでした。C&G Value Designでは、料理を作るだけでなく、レストランそのものをどう作り、どう成功させるかまで深く関わります。今回の「ONCRI-KARATSU」の立ち上げでは、まさにその実践の場を与えられ、厨房設計からメニュー構成、サービスの在り方まで、全ての工程に携わることができました。この経験は私にとって非常に大きな財産となっています。そして今、自分が思い描いていた「お客様に寄り添う料理」の実現に向けて、日々邁進できています。

「サービスの責任は
厨房にもある」
客前で変わった、
料理人としての覚悟
「気持ち」がなければ、味は届かない
― 真の料理とは何か
料理長として「ONCRI-KARATSU」を成功させるために最も大切だと感じているのは、「人」です。どんなに素晴らしい施設や料理があっても、働く従業員一人ひとりがお客様をもてなす気持ちを一番に持っていなければ、本当の感動は生まれません。お客様の笑顔のために、料理人だけでなく、全ての従業員が心を込めて仕事に取り組むことが、何よりも重要だと考えています。
部下を指導する際は、技術だけでなく、人としての成長を重視しております。特に、挨拶やお客様への接し方といった基本的なことは厳しく伝えています。料理においては、技術以上に「気持ち」が大切です。どれだけ美味しい料理を作っても、お客様の手に届くまでの状態を意識し、心を込めて提供する。この「気持ち」がなければ、料理の真価は伝わらないと信じています。
以前の職場では、料理が厨房を出た後のことは「サービス側の仕事」と割り切るような風潮があり、それに強い違和感を感じていました。しかし、お客様の目の前で料理を提供した時、これまでのやり方ではお客様に申し訳ないという気持ちが強く残ったんです。お客様との会話から、その方にとって今日の食事がどれほど大切なものかを知り、その想いに応えたいと強く思うようになりました。この経験が、私の料理哲学の根幹をなしています。

「唐津だからこそ、
できる味がある」
地の恵みと
ひらめきを
かけ合わせて
伝統と革新のはざまで
― 地元食材×自由な発想の挑戦
「ONCRI-KARATSU」では、地元唐津の食材を積極的に取り入れることを強く意識しています。この土地で育まれた豊かな恵みを料理に活かすことは、お客様に唐津の魅力を伝え、記憶に残る体験を提供するために不可欠だと考えています。
開業にあたっては、以前からこの地で働かれている方々の協力を仰ぎ、地域に根ざした取引先を徹底的に探し回りました。毎日のように市場に足を運び、そこで水揚げされる旬の魚介類と対話し、その日の最高の食材を見極めています。残念ながら、昔ほど多種多様な魚が安定して水揚げされるわけではありませんが、イカをはじめとした海の幸は積極的にコースに取り入れています。また、唐津産の明太子で有名な老舗店とは、共同で「ONCRI-KARATSU」オリジナルのコラボレーション商品を開発するなど、地域のパートナー企業様との連携にも力を入れています。シャリに使う塩にもこだわりがあり、唐津沖に浮かぶ加唐島で伝統的な製法で作られた塩を使用しています。これは、ただの塩ではなく、唐津の風土と歴史が凝縮された味。ヒルトップリゾート 福岡の鮨・日本料理「暦」では試みなかった、「唐津だからこそできる味」を追求する姿勢の表れです。さらに、朝食などには唐津産のお米を使用し、お客様に唐津の地の味を余すところなくお楽しみいただいています。
料理のインスピレーションは、厨房の中だけにとどまりません。私自身のプライベートな経験も、積極的に料理に活かすように心がけています。休日に家族と様々なジャンルの飲食店を訪れることは、私にとって大切な「学びの場」です。例えば、最近訪れた洋食店で、バジルペーストを応用した新しいソースに出会いました。このアイデアをヒントに、和食の食材であるネギを使って、醤油ベースの「ネギ醤油」というソースを開発しました。これは焼き物などにも相性が良く、お客様からもご好評をいただいています。また、中華料理の担々麺を家庭で作る際には、市販のスープを使わず、一から本格的な味を追求し、盛り付けにもこだわります。こうした姿勢の根底にあるのは、料理人としてのサービス精神と、「どうすればお客様に喜んでいただけるか」という探求心があるからです。
既成概念にとらわれず、新しい食材の組み合わせや、意外な味の発見を求める姿勢は、私の料理の幅を大きく広げてくれています。日々の生活の中にある小さな発見が、お客様を驚かせ、喜ばせる一皿に繋がることを信じて、私は常にアンテナを張っています。

「楽しめる人が 、
一番伸びる」
仲間とつくる
キッチン、
成長の現場から
料理だけじゃない、感性と人間力を磨く
― 次世代の料理人へのエール
今後C&G Value Designで料理人を目指す方々に伝えたいのは、「何事も楽しめる人」になってほしいということです。そして、常に「人に好かれよう」という気持ちを持つこと。これは決して打算的な意味ではなく、そこから生まれる人間関係が、個人の成長や仕事の幅を大きく広げるからです。チームで働くことがほとんどだからこそ、チームワークを大切にし、人と円滑に関われる力が求められます。
その基本である「挨拶」です。ただ形式的にするのではなく、立ち止まって相手にきちんと伝えること。お客様に対しても、同僚に対しても、気持ちの良い挨拶ができる人は、その後の関係性を豊かなものにしていきます。
また、料理の技術だけでなく、「感性」を磨くことも重要です。絵や自然、美術館など、料理以外の世界にも目を向け、自身の感性を広げることで、より良い料理や、美しい盛り付け、そして創造性豊かなコースの組み立てへと繋がっていくと考えております。
この場所で、私たちは共に成長し、お客様に最高の感動を届け、そして新しい未来を創造していきます。情熱を持ったあなたの挑戦を心からお待ちしています。
